親 不 孝 



総てを諦めたフリをして

誰も愛していなかったようなフリをして

思い出の無いフリをして

確かに名前は此処に在るのに

確かに名前は此処に在るのに



君は居ない



何時だったか君は中学生のいたいけな少年だった

何時だったか君は画面の向こうの言葉だった

何時だったか君はステージの上の獅子だった

何時だったか君は美術館の睡蓮だった

何時だったか君は紛れも無く僕だった




何度も当て嵌めてこれがきっと最後なんだろうと思っていた

未来の事を考える度他人事のような気がしていた

そして与えられた名前のようには生きられないような気がしている

母さん 貴女が私に与えた愛について

知っているのにそれを超える事がどうやら出来ないみたい




貴女なら。

決め付けないで

そんな風に謂うんだろう




大丈夫

大丈夫

虚しい時程聞こえてくる

大丈夫

大丈夫

失望の渦の中で子守唄のように木霊して

スケープゴートのように僕は狼狽して運命に喰われるのを待っているだけなんだ




総てを諦めたフリをして

誰も愛していなかったようなフリをして

思い出の無いフリをして

確かに名前は此処に在るのに

確かに名前は此処に在るのに



親不孝者

僕のような人間を指す言葉

母さん

そうなのでしょう?

































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