哀 情
触れて確かめる
触れて 確かめる
痛いのは何故
心に触れると痛いのは何故
わらって
背筋を伸ばして
誰も気付かないから
息を殺して 隣に並んだ時に
震えている事に気付く
傍に居るのに 今迄ずっと
遠い所に居た人のように
何が怖くて
そんなに怯えているのか
色素の薄い目は
いつも猫の目のように
差し出す手を振り解いて
傷付けるつもりが 傷付いて
くたびれてしまっただなんて
泣き疲れ 眠る
愛して欲しい と
か細く鳴いた背中に十字を背負って
お前が愛せなくなっても
僕はきっとお前を愛するだろう
世界の終わりに誂えたような
そんな残酷な優しさで身を抉る
痛いのは何故
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