「 」 、そ の 定 義



伸びた腕の行き場は当ても無く

空欄に書き込む筈の台詞は未定

生まれてきた事の仕様の無さを

何かの所為にするのは甚だ見当違いもいい所で

望まれて生まれてきたなんて

望んで生まれてきたなんて

あんまりにも哀しいから辞めにしよう



その命と時間に匹敵する為の責任を俺は生きている

最初から愛や希望を知っていたなんて

ハッピーエンドもその逆も必要は無くて

逃れられないこの責務に慄くのは生きている証

生きてゆく事はきっと辛い事でなければならない

そうでなければ愛なんて、



死んでも父や母を超えられる事は決してなく

死んでも愛だの希望だのと路頭に迷い

死んでも己が誰なのか解らずに狼狽し



実際今君に触れている事実が此処にあって

辛いと感じたこの感情も

投げ捨てようにも投げ捨てられないこの躰すらも

幻のように愛しいと思えた 

夢をみているように愛しいと思えた





此処に居ると告げて

また逢えるとそっと耳打ちして

絶対的な自分以外の存在を感じられなければ

俺が此処に生きている実感意味すら





望まれて生まれてきたなんて

望んで生まれてきたなんて

あんまりにも哀しいから辞めにしよう







今はただ此処にいるそのままの君を感じていたい

此処に居ると告げて

また逢えるとそっと耳打ちして








嘘でもいい

愛していると謂ってみて。















55 STREET / 0574 W.S.R / STRAWBERRY7 / アレコレネット / モノショップ / ミツケルドット