愛 の 言 葉



未だ伝えていない

未だ君に伝えていない

未だ君等に伝えられていない

言葉、愛の言葉が



口移しに愛を伝えられる夢をみた

呼吸が困難になる程気が遠くなる程

嗚呼だから

だから無様なんだ本当に滑稽で可笑しくて


いたたまれず

何処迄も



痛い




一度触れた筈の

離れていった愛は

本物だったのか

ねえ



「愛なんて未来永劫じゃないからこそ美しい。」

ポーズにもならない

残酷な迄に美しい歯並び

この唇を抉じ開けて





息の根が止まる程の未来永劫を教えてくれ未来永劫の愛を





｢虚偽は虚偽として虚偽の儘に｣

｢愛も持って愛で制する｣

奴も彼も彼女もそれを渇望して

実際それがなんなのか解らずにそれが欲しいと喚いている





自分の背に刻印された罰のようなもので

夜な夜な妄想するだけで

目にする事が出来ないのね





君の背に刻印されたそれをみて

僕の背中に刻印されたそれをみて





互いの背に腕を回し空を掻く





愛なんてそんなもんだって

互いに喚きながら背に腕を回し空を掻く

涙と赤い唾液に塗れながら









恐らく否確実に僕は愛について知っている筈だった

君に君等に伝えなきゃいけない愛ってもんについて






先生　猶予を下さい





もう少しだけ待ってくれ

噛み砕いて君等に伝えるから